■本物の強力消臭剤はどれ? 消臭剤の消臭力を科学的に徹底比較(スプレー編・その2)
試験検体
- A. 表記成分:植物由来消臭成分・除菌成分(有機系)・香料
- B. 表記成分:消臭剤・抗菌剤
- C. 表記成分:次亜塩素酸(弱酸性)
- D. 表記成分:酸化亜鉛複合ナノ粒子消臭剤・銀複合ナノ粒子除菌剤・安定化剤・水
- E. 表記成分:消臭・除菌剤(銀含有ゼオライト)・アルコール・活性剤・香料
- F. 表記成分:香料
- G. G-MAQ ジーマック タバコ消臭スプレー 400ml
試験対象物質
- ・アンモニア:体臭や尿臭をはじめ、様々な悪臭に含まれる代表的な悪臭原因物質
- ・アセトアルデヒド:タバコ臭等の代表的な悪臭原因物質
- ・ホルムアルデヒド:シックハウスやシックカーの最も代表的な原因物質で発がん性有害化学物質
試験結果
アンモニア(単位:ppm)
|
BLANK |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
G |
直後 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
30分後 |
20.0 |
15.5 |
17.9 |
13.2 |
14.2 |
16.3 |
19.8 |
0.5 |
2時間後 |
18.0 |
12.2 |
14.3 |
10.1 |
10.8 |
13.2 |
17.5 |
0.1 |
6時間後 |
15.0 |
11.6 |
12.7 |
8.9 |
8.8 |
11.5 |
14.2 |
>0.0 |
アセトアルデヒド(単位:ppm)
|
BLANK |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
G |
直後 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
25.0 |
30分後 |
25.0 |
24.2 |
25.0 |
25.0 |
24.8 |
25.0 |
25.0 |
15.7 |
2時間後 |
22.6 |
22.1 |
22.8 |
22.3 |
22.9 |
23.0 |
22.4 |
9.4 |
6時間後 |
21.0 |
21.0 |
21.3 |
21.0 |
19.8 |
21.2 |
21.0 |
6.8 |
ホルムアルデヒド(単位:ppm)
|
BLANK |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
G |
直後 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
20.0 |
30分後 |
19.0 |
19.0 |
19.0 |
19.0 |
19.0 |
18.6 |
19.0 |
0.8 |
2時間後 |
16.5 |
16.5 |
16.3 |
16.5 |
16.5 |
16.5 |
16.4 |
0.2 |
6時間後 |
13.5 |
13.5 |
13.5 |
13.4 |
13.5 |
13.2 |
13.3 |
>0.0 |
考察
○従来の「代表的な市販の消臭スプレー(クルマ用/タバコ用)」には、その用途として「クルマ用」あるいは「タバコ用」等の表記がなされているものの、実際には、「アンモニア」等のアルカリ性臭気物質に対する消臭能力のみを主眼において開発された製品であることが想定される。(少なくとも、「タバコ臭」の代表的な原因物質のひとつである「アセトアルデヒド」については、いずれの製品においても、充分な消臭能力を確認することが出来なかった。)
○「シックハウス」や「シックカー」の最も代表的な原因物質である「ホルムアルデヒド」に関しては、従来の「代表的な市販の消臭スプレー(クルマ用/タバコ用)」のほぼ全ての製品において、充分な消臭能力を確認することが出来なかった。
○従来の「代表的な市販の消臭スプレー(クルマ用/タバコ用)」のうち、一部の製品については、試験対象物質である「アンモニア」・「アセトアルデヒド」・「ホルムアルデヒド」のいずれの臭気原因物質に対しても、ほとんど消臭能力が発揮されていない製品が含まれていた。これは、当該製品が「消臭剤」として販売されてはいるものの、本来の意味での「消臭剤」ではなく、「芳香剤」の一種である「マスキング剤(香り成分で悪臭成分を覆い隠す手法を用いた製品)」であることを示唆している。
○一方、 "G-MAQ ジーマック タバコ消臭スプレー 400ml" は、試験対象物質である「アンモニア」・「アセトアルデヒド」・「ホルムアルデヒド」のいずれの臭気原因物質に対しても、優れた消臭能力を発揮することが確認することが出来た。
試験方法:6.5ℓガラスチャンバー法
- 1)φ90mmのろ紙に、各製品を1g全面塗布し、乾燥させたものを検体とする(BLANKについては、消臭剤未塗布のろ紙を使用する)
- 2)6.5ℓガラスチャンバー(静風ファン付き)を複数用意し、上記1)の検体を各々1枚ずつ設置し、密閉状態を確保する(この際、対象物質滴下用として、消臭剤塗布を行っていないφ90mmろ紙も各1枚ずつ設置しておく)
- 3)対象物質の希釈溶液をシリンジホールより投入する
- 4)ガラスチャンバー内の静風ファンを稼働させる
- 5)直読式検知管により、時間経過による対象物質濃度を測定する
消臭力比較方法
前出の「6.5ℓガラスチャンバー法」による試験開始直後・30分後・2時間後・6時間後時点での、BLANK及び各検体(φ65mmのろ紙に、各製品を1g全面塗布したもの)のガラスチャンバー内対象物質濃度を直読式検知管にて測定する
試験実施日・実施場所・試験員
- 実施日:2014年5月21日
- 実施場所:横浜国立大学共同研究推進センター内
- 試験員:下之園/中森(グラフトンラボラトリーズ株式会社 R&D室)